主体的開発志向(PDO)とは

主体的開発志向(以下PDO:Proactive Development-Oriented→今さっき考えついた造語です笑)とは、自分たちで企画を立ち上げ、メーカーやショップへ働きかけて商品を開発していく自主的な活動のことです。

今年の初め、クライアントワーク主体からPDOへのシフトを模索し始めました。メーカやショップが新しい商品をいつも求めているのを肌で感じていたのですが、なかなか商品開発が始まらない現状は、スタートがボトルネックになっているんじゃないかと思い立ったからです。簡単に言うと、一歩目の出し方がわかないとか、踏ん切りがつかないのです。

その具体的なプランを考えていた折り、新型コロナが猛威を奮いはじめ、社会は大きく変わりました。自粛期間中、この危機的状況にどうやって対応するかを考えたときに、益々、PDOへの思いは強くなっていきました。

今、社会は先の見えない不安定な状態であり、刻一刻と状況が変わっています。そんな状態でこそ受け身で行動するのではなく、自分たちから積極的に行動することが、 将来のリスク回避になります。 仕事の受注を求めてクライアントを探すだけはなく、主体的に自分たちで仕事を作り出すことが必要です。

ヒト・モノ・カネが必要

経営にはヒト・モノ・カネが必要だとよく言われますが、新商品開発も同様です。

ただ、経営と商品開発では、少しスケールが違います。デザイン事務所サイズのヒト・モノ・カネでスタートする予定で、足りないものはアイデアで埋めていくスタイルです。

カネ : ベースは補助金を申請

中小企業向けの補助金を申請して承認されましたので、今回の資金は補助金ベースです。補助金は、中小企業の強い味方ですね。今回は、総予算の2/3が補助される予定です。

ちょっと調べるといろんな補助金があって、以前は展示会出展の補助金を申請したこともあります。申請には審査がありますので、それなりに準備がいりますし、業務の間に資料を作るのは大変なのですが、やるだけの価値はあると思います。お勧めです。

他にも、メーカー側で補助金を申請する方法もあり、そのプランニングをサポートすることも可能です。補助金等の有効活用をご提案します。

モノ:スキル

モノとは、普通は製造設備や材料などを指しますが、デザイン事務所には設備はそれほど必要ありません。基本的にはパソコンや模型材料があればデザインはできます。

強いていえば、一般企業でいうモノとは、デザイナーにとってのデザインスキルのことかもしれません。新しく手配すれば手に入るものではなく、 アタマや腕に備わっている設備で、 日々の鍛錬や行動が生み出すプライスレスなモノです。

ヒト:一緒に開発をする仲間

もしかしたら、一番、手に入れるのが難しいのがヒトかもしれません。特に、今回のような限られた予算では無尽蔵に人を集めることもできないし、協力していただくには信頼感が必要となってきます。

だから、ヒトは単なる人材ではなく、一緒に開発をする「仲間」と考えています。

仕事の流れはウォーターフォールの一方的な関係ではなく、リスクとメリットを共有して、一緒に回転している『流れるプール』的な関係です。

今回、そういった仲間として一緒に開発をしてくださるメーカーの方たちに恵まれましたので、PDOにシフトすることを考えることができたともいえます。 手前味噌で恐縮ですが、 時間をかけて 普段から信頼関係を作り上げてきたという自負もあったりします。とにかく 周りの皆さんには、とても感謝です。ありがとうございます。

PDO Now!

現在、PDOは商品開発を数件とECサイト開発が1件が進行中です。自分たちのサイズ的にはけっこうなボリュームなので大変なのですが、主体的に動いているのでモチベーションは高いです。

一方で、主体的な活動だからこそ成果も失敗もダイレクトに返ってくるので、 不安が大きいのも本音です。 外注でデザインのみを受け持つクライアントワークとは違うプレッシャーがあります。

撰ばれてあることの恍惚と不安と二つわれにあり。とにかく、最善を尽くして結果を出していきます。

乞うご期待ください。

工場の窓から
工場の窓から